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ハワイで成功している飲食店「黄金の豚」経営者に聞く〜後編〜

ハワイで成功している飲食店「黄金の豚」経営者に聞く〜後編〜

豚骨ベースのラーメンとつけ麺、そして様々な日本のお酒と共におつまみも堪能できる「黄金の豚(Golden Pork)」を経営する福井氏。

現在ハワイでビジネスを経営されている方に、ビジネスの立ち上げについてお聞きする「ビジネスオーナーに学ぶ」インタビューシリーズ第一弾の後編です。

前編では、ビジネスの構想から実際に開店に至るまでをお話いただきました。後半では資金面やビザ取得についてお伺いしています。


 

ー 資金面はどうやって準備されましたか?

 

ー 開店資金のうち、大学時のビジネス売却で得た資金が2割、会社から出してもらった資金が8割でしたね。最初は資金を出してもらった会社の連結子会社としてスタートしました。親会社となった会社を通して日本の銀行から融資を受けました。親会社のビジネスが順調だったのもあって、審査はすんなり通ったみたいですね。日本の銀行から融資を受けられるのはいい面もありますが、円安が進むとその分ドルに替えると目減りしてしまうので、損をすることもあります。ハワイの銀行からの借入はかなりハードルが高いようですね。僕の場合は物件の購入から内装工事などもやったので初期費用がかかりましたが、出来上がっているフードコートなどであれば、費用は抑えられるかと思いますよ。

 

 

 

ー ハワイにいらした時のビザはどうされましたか?

 

ー Eビザで渡航しました。親会社がうちの会社の株の50%以上を保有していたので、Eビザを取得出来たんです。その点で日本に経営母体があるっていうのは大きかったですね。ビザの手続きに関しては、ビザ取得関連に強いハワイの弁護士さんにお願いをしました。この弁護士さんもご紹介してもらっています。先に述べたようにアメリカもといハワイは弁護士さんもピンキリですし、成功報酬型の弁護士さんと、そうでない弁護士さん(ビザが取得できなかった場合も手数料が発生する)とではビザ取得の条件でおっしゃることも異なったりするので、信頼出来る方に紹介してもらうっていうのは安心でしたね。

(現在E-1ビザの場合、日本に親会社があり、株の過半数が日本国籍者に所有されている子会社(アメリカ法人)が必要。またビジネスにおいて日米間での直接的な輸出入の取引があり、全取引高の51%以上が日米間取引である必要があります。E-2ビザの場合、日本に親会社は不要となりますが、事業相当額の投資を行なった株の過半数が日本国籍者に所有されているアメリカ法人が必要です。)

 

 

 

ー ビジネス開始時の経営状態はいかがでしたか?

 

ー 幸運なことに、初年度は赤字でもないけど黒字でもない、程度でしたが、着々とキャッシュフローは増えていく感じでした。2年目くらいまではそんな感じだったので、資金面で長期的な体力がなかったら、やってこれなかったですね。最初から利益が出ると思ってやっちゃいけない、と思いました。運転資金は、常時損益分岐点の3〜5ヶ月分くらいは常時ないと怖いですね。経営者としては何万ドルといった数字を支出として目の当たりにしますから、ビジネスが軌道に乗るまでは相当な恐怖が伴います。何か改善をしたとしても、それが結果として利益に反映されるまでにはやっぱり時間がかかるので、精神的にも相当きつかったですね。資金面でも精神面でもかなり覚悟がないと出来なかったと思います。あとは、やっぱり現地でしっかり腰を据えてそのビジネスにコミットする人は必要だと思います。日本のブラック企業顔負けなくらい、そのビジネスにコミットできるか。もちろん、それをやるのは自分でもいい。リモートで何でも出来る時代だけど、ここは現地で徹底的にやる人がいないと。

 

 

 

ー その後の経営はどうですか?最近はコロナによるパンデミックの影響もあったかと思いますが。

 

ー 昨年4月からの前年度は調子が良かったですね。観光客をメインの客層にしていたら、このコロナ禍では耐えきれなかったと思います。弊社の場合はローカルをメインにしていたので、持ち堪えましたし、むしろ調子が良かったです。開店当時はハワイに住むローカルの人達をメインターゲットにしていたんですが、意外と本土からのアメリカ人観光客も、こちらのSouth King Streetの方まで足を伸ばしてくれることに気づいたんです。なのでアメリカ人観光客の需要も見込めるな、と。

 

 

 

ー 2015年のオープンから現在7年が経っていますが、ハワイでビジネスを経営する中で、一番のカルチャーショックはどんなものでしたか?

 

ー 「人」ですね。日本人と全然違います。日本の感覚で相手とコミュニケーションをとって、日本人とは違う面にストレスを感じてしまっていたら、もう絶対持ちませんね(笑)。ある程度の諦めも許容しないと。従業員の募集をかけて面接に応募してきて、実際に面接に来てくれるのは3割程度。日本と全然違いますよね。「今日は波がいいから(サーフィンしに行くので)仕事休むね」と悪びれることなく連絡してくるサーファーの従業員とかね。日本の従業員マネージメントをそのまま取り入れたらダメですよね。全然違いますから。とは言っても、全てローカルに合わせる必要もないかな、とも思います。日本のマネージメントでも、ローカルに使えるところはしっかり使う。その上で、House Rule、従業員規則はとっても重要ですね。弁護士と共にちゃんと作成して、従業員用のHand Bookをしっかり定めて、採用時にちゃんと受諾のサインをさせる。そうすればHand Bookの規律に違反した人を正当に解雇できるし、訴訟を起こされたとしてもちゃんと対処できますし。

 

 

 

ー 最後になりますが、これからハワイに進出されようと思っている方に、一言アドバイスをいただけたらと。

 

ー アドバイスですか、そうですね…「多分失敗します」(笑)。

いや、本当に冗談抜きでハワイでビジネスを成功させるのは並大抵のことじゃ出来ないと思うんです。だからこそ、「失敗」してでも、それでもやり遂げるために、入念な準備、マーケティングや資金などの入念な準備が大切です。そして何より、ハワイでやるという覚悟。日本の当たり前が通用しないレベルのことが多いですから。あとはしっかりと現実を見ることですね。

 

 

ー 大変参考になるお話をお聞かせいただきありがとうございました。


 

ハワイの中でも競合がひしめき合う飲食業界は、1年もてばいい方と言われています。

そんな中、今年8年目を迎える「黄金の豚」は、まさに「成功例」と言えるでしょう。

世界的に日本があるハワイのラーメン業界の中でも、安定した人気を誇る「黄金の豚」。

ここまでビジネスを成功させられることは稀であり、1年ももたずに閉店に追い込まれた店も少なくありません。

ハワイの飲食業界へ進出の構想をお持ちの方は、是非とも今回のインタビュー記事を参考にしていただければと思います。

 

 

 

店舗名  黄金の豚(Golden Pork)
住所  1279 South King Street, Honolulu, HI 96814
営業時間  11:30am〜2:45pm、5:00pm〜9:30pm 不定休
連絡先  (808)888-5358
公式ウェブサイト  https://golden-pork-tonkotsu-ramen-bar.business.site/

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